【解決事例】相続財産が不明なケース
相談者のご状況
ご相談者様は、亡くなられた方の配偶者である70代の女性でした。法定相続人はご本人と3人のお子様でしたが、ご相談者様はお身体が不自由であるため、相続に関するすべての手続きを一任したいとのご希望でした。
また、被相続人に借入金などの負債が残されていないかをご心配されており、相続を進める前にきちんと調査したいとご相談くださいました。
ご本人とお子様方とは現在あまり交流がなく、連絡も取りにくい状況でした。
当事務所の提案&お手伝い
当事務所では、まず相続手続き全体の見通しを整理するところから着手しました。ご相談者様は高齢で身体が不自由なうえ、聴力にも制約があり電話でのやり取りが困難な状況でした。そのため、連絡手段として当事務所の公式LINEを活用し、メッセージで進捗状況や必要事項をお伝えすることで、無理のないかたちでのサポートを実現しました。さらに、必要に応じてご自宅を訪問し、筆談にて意思確認を行いながら書類へのご署名・ご捺印もお手伝いしました。
ご本人が特にご不安を感じておられたのが、故人に借入が残っていないかどうかという点でした。そこで当事務所では、CIC、JICC、KSCの3つの信用情報機関に代理で開示請求を行い、借入や未払いのローンが存在しないことを確認しました。加えて、証券資産についての不明点もあったため、証券保管振替機構(ほふり)に照会を行い、ネット証券の口座の有無を調査しました。該当する証券会社については、暗証番号が不明だったため、代表窓口に何度も電話をかけ、数日を要しながらも必要な情報を取得しました。
また、相続人である子ども3人はそれぞれ遠方に居住しており、連絡を取ることが難しい状況でした。そのため、当事務所から各相続人宛に遺産分割に関するアンケートを郵送し、各人のご希望や意向を丁寧にヒアリングしました。お寄せいただいた回答をもとに、全員が納得できる遺産分割協議書の案を作成し、協議書を郵送で回覧・回収することで、スムーズに協議をまとめることができました。
金融機関関係の手続きについても、クレジットカードや預金口座の解約、遺族年金の請求などをすべて一括してお任せいただき、必要な場面ではご本人に代わって当事務所が書類作成・連絡を行い、確実に処理を進めました。
結果
こうした一連のサポートにより、ご相談者様はご自宅から外出することなく、相続手続き全体を安全かつ安心して進めることができました。ご不安だった借入金やローンも、信用情報機関の調査を通じて「なし」であることが確認でき、精神的な負担も大きく軽減されたご様子でした。また、ネット証券口座についても確実に対応できたことで、資産の取り残しがない形での名義変更が完了しました。
相続人であるお子様方とは、直接のやり取りが困難であったものの、郵送によるアンケートと丁寧なご説明を通じて全員の同意を得ることができ、争いなく協議が成立しました。ご相談者様からは「耳も悪く、体も動かず、何もできないと思っていたけれど、本当に丁寧に助けてもらって感謝しています」とのお言葉をいただきました。
当事務所では、ご本人やご家族の状況に応じた柔軟な対応を心がけており、本件でも「わかりやすさ」と「任せやすさ」を重視したサポートを徹底しました。最終的には、すべての相続手続きが円満に完了し、ご相談者様にもご安心いただける結果となりました。
