相続発生後にやるべき手続き(四十九日までに)【司法書士が解説】
親が亡くなると、多くの手続きを行わなければなりません。これらの手続きには期限が定められているものも多く、親との別れに向き合う時間もないまま四十九日を迎えてしまうことも考えられます。今回は、「四十九日までにやるべきこと」として、どのタイミングで何をすればいいのかを分かりやすく解説していきます。
目次
四十九日とは?
四十九日とは、命日から数えて49日目に行う仏教の法要のことです。仏教では、人が亡くなるとあの世で7日ごとに極楽浄土に行けるかどうかの裁判が行われるとされています。その最後の判決の日が49日目にあたります。従来は、その裁判で故人の善行を足すために7日ごとに法要を行っていましたが、現在では故人に最後の審判が下る四十九日に盛大な法要を行い供養することが一般的になっています。また、四十九日は喪に服していた遺族が日常生活に戻る日でもあり、「忌明け」とも呼ばれます。
ご逝去されて3日以内にすべきこと
1日目/ご逝去された日
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近親者への連絡
- 親族や職場、近所の方へ亡くなった事実を連絡します。連絡先リストを事前に作成しておくとスムーズです。通夜や葬儀の日程が決まっている場合には、その旨も伝えます。
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死亡診断書の受け取り(コピーの取得)
- 死亡診断書は主治医が発行します。死亡後の手続きに必要なため、コピーを複数枚取っておくことがオススメです。
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葬儀社の選定
- 故人の葬儀についての希望を確認し、葬儀社を選定します。慌てずに搬送だけ請け負う葬儀社を探すのも一つの方法です。
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遺体の搬送、退院手続き
- 病院で逝去された場合は、自宅または葬儀社の安置場へ遺体を搬送します。入院費用の清算も行うため、費用の用意と支払い担当者を決めておきます。
2日目/ご逝去された翌日
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死亡届の提出
- 死亡診断書と同じ用紙の死亡届を提出します。提出先は故人の本籍地、届出人の住所地、または死亡した場所の役所です。
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火葬許可証の申請・取得
- 死亡届提出時に火葬許可証の申請を行います。
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お通夜
- 喪主の決定、参列者の迎え、挨拶などを行います。
3日目/葬儀・火葬
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葬儀
- 事前に葬儀社と打ち合わせ、役割分担や全体の流れを確認します。葬儀社との打ち合わせでは、喪主や受付係などの役割分担、受付や席次、焼香などの全体の流れ、祭花壇の手配、会場の設営、弔電の管理などを決めておきます。
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出棺、火葬
- 火葬許可証を持参し、火葬場へ移動します。火葬後に収骨を行い、火葬済の証明を受け取ります。
四十九日法要までに行うその他の手続き
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世帯主変更届
- 住民基本台帳法により14日以内に提出が必要です。提出を怠ると罰金が科されることもありますので、期限内に必ず提出しましょう。
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年金受給の停止
- 受給権者死亡届を提出し、未支給年金を遺族が受け取る手続きを行います。年金を受けている方が亡くなった場合、未支給年金としてその方と生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。
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国民健康保険証資格喪失届
- 死亡から14日以内に提出します。故人が国民健康保険に加入していた場合は、資格喪失手続きを行う必要があります。
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クレジットカードの停止
- 契約者の死亡後は速やかにカード会社に連絡し解約手続きを行います。解約をしない場合、年会費が請求され続けることや、不正利用されるリスクもあります。
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公共料金の解約
- 必要に応じて解約日を設定します。遺品整理や故人の部屋の片付けなどで電気や水道を使用することも考えられるため、解約日には余裕を持たせると良いでしょう。
四十九日法要
四十九日法要は、命日から49日目に行う重要な儀式です。故人のあの世での幸せを願って家族や親戚、友人が集まり、自宅や寺院、葬祭ホールで僧侶にお経をあげてもらいます。基本的には葬儀を依頼した葬儀社に続けて依頼するとスムーズです。
四十九日法要までに用意するものとして、法要の日取りと場所の決定、参列者への案内状の準備、会食や返礼品の準備、本位牌や仏壇の手配があります。これらは早めに手配することが望ましいです。
法要の流れは、施主の挨拶から始まり、僧侶の読経と焼香が行われます。僧侶の法話が終わると、参列者全員で会食を行い、施主の挨拶で締めくくります。
知っておくべき四十九日法要のマナー
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お布施の相場
- 四十九日の法要のお布施の相場は3〜5万円程度です。遠方から来ていただいた場合は「お車代」として5,000〜1万円程度を渡し、御斎(おとき)に出席しない場合は「御膳料」として5,000〜2万円程度を渡します。
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香典返しの相場
- 香典返しはいただいた香典の3分の1から2分の1程度が目安です。生ものや賞味期限の短いお菓子は避けましょう。
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法事に適した服装
- 喪主は正喪服を着用し、遺族は正喪服または準喪服を着用します。遺族以外の参列者は略式喪服を着用します。
四十九日が終わったらやっておくべき相続手続き
四十九日の法要は、これまで喪に服していた日々から日常生活に戻る区切りの行事です。四十九日が過ぎたら、相続手続きを開始しましょう。相続手続きには期限があるものも多いため、スムーズに進めることが重要です。
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相続放棄
- 相続放棄は、被相続人が亡くなった時から3か月以内に家庭裁判所に申立てをしなければなりません。期限の2か月前には準備を始めると良いでしょう。
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準確定申告
- 被相続人に所得がある場合、亡くなってから4か月以内に準確定申告を行います。
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相続税申告
- 相続税申告と納付の期限は、被相続人が亡くなってから10か月以内です。
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相続登記
- 相続財産に不動産が含まれている場合、2024年4月1日以降は相続登記が義務化され、3年以内に行わなければなりません。
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専門家への依頼
相続手続きが多く複雑な場合は、司法書士に依頼するのがおすすめです。司法書士は他の専門家とも連携し、相続手続きをスムーズに進めるサポートをしてくれます。税理士など他の士業ともネットワークがあるので、相続税の申告が必要な場合にもワンストップで対応してくれます。
相続手続きをスムーズに進めるためには、四十九日法要の時期に遺産の話をすることが適しています。相続手続きの準備として、遺言書の確認、相続人の調査、相続財産の把握などを行いましょう。葬儀の際に遺産の話をするのは避け、四十九日の法要の後に落ち着いて話し合うことが望ましいです。
以上が、親が亡くなった後に行うべき手続きと四十九日までの流れについての解説です。しっかりと準備をして、スムーズに手続きを進めていきましょう。
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